AOP ピヨ教材 ・ 基礎知識編
ビブラートの正体は「音の高さの周期的なゆれ」。ゆれの速さ(Rate)と幅(Extent)がほどよい範囲だと、音程は1本に聞こえたまま、声があたたかく生きて聞こえる。
ビブラート! かけるとプロっぽくなるやつピヨね。のどを高速で振ればいいピヨ?
振らなくていいシカ(笑)。まず30秒まとめシカ。
そもそも何がゆれてるピヨ? 声? のど? 気持ち?
ゆれているのは音の高さ(ピッチ)シカ。ねらった音程を中心に、ちょっと上・ちょっと下、を規則正しくくり返しているシカ。
音の高さを時間にそって線でかくと、ちがいが一目でわかるシカ。
大事なのは、でたらめなふらつきじゃなくて、規則正しいくり返しだということシカ。だから「音程が下手」とは別ものシカ。
波かぁ。じゃあ波の「はやさ」とか「大きさ」で、いろんなビブラートがあるってことピヨ?
いいところに気づいたシカ! ビブラートの個性は、たった2つのものさしでほぼ言い表せるシカ。
セントは初登場だから説明するシカ。半音をさらに100等分した、音の高さの小さなものさしシカ。±100セント=半音ぶん上下にふれる、という意味シカ。
そして、うたで「心地いい」とされるのはだいたいRate 5〜7Hz(まん中あたりが約6Hz)・Extent ±半音(100セント)以内シカ。プロの歌手でよくあるのは±50セント前後シカ。
範囲を外れるとこうなるシカ。速すぎて幅がせまいと、こまかくふるえる「ちりめん」と呼ばれるゆれ。遅すぎて幅がひろいと、音程そのものがふらついて聞こえる「ワブル」シカ。どっちもあとのマシンで聴けるシカ。
±半音もゆれてるの!? 半音ってドとド♯のちがいピヨよ? そんなにゆれてたら、もう別の音になっちゃってるピヨ!
そこがビブラートのいちばん面白いところシカ。実際の高さ(周波数)は確かに上下している。でも耳が感じる音程(ピッチ)は、ゆれの中心に1本に聞こえるシカ。
Rate が6Hzくらい・Extent が半音以内、という条件がそろうと、耳は「音程が動いた」とは感じずに、「音程の中で何かが動いている」と感じるシカ。これが声の「生きてる感じ」「あたたかさ」の正体シカ。
映画と同じ理屈シカ。映画は止まった絵を1秒に24枚パラパラ見せているだけなのに、なめらかな動きに見えるシカ。実際に起きていることと、耳や目が感じることは、べつものなんだシカ。
耳、だまされてるピヨ…。じゃあ逆に、ゆれが「音程のふらつき」に聞こえちゃう境界線がどこかにあるってことピヨね? 探したいピヨ!
それじゃ「あ」の合成声にビブラートをかけて、Rate と Extent を自分の手で動かしてみるシカ。
おすすめの遊び方:まず「✨いい感じ」で鳴らして、Extent をすこしずつ広げていくシカ。どこかで「1本の音程」が「ふらつき」に化ける瞬間があるシカ。
ほんとだ! ±50セントは「ゆれてるのに1本」なのに、±150セントにしたら音程が行方不明ピヨ!
あと「ちりめん」、ヤギさんの声みたいピヨ…。
シカシカシカカカカ。ちなみに機械のビブラートは波が完璧にそろいすぎていて、本物の声よりゆれが耳につきやすいシカ。人の声には毎回すこしずつ「ゆらぎ」があって、それが1本に溶けて聞こえるのを助けているシカ。
マシンで気づいたピヨ。Extent を広げると、高さだけじゃなくて音の大きさまでワンワンゆれてる気がするピヨ?
耳がいいシカ! それは気のせいじゃなくて、ビブラートのだいじな性質シカ。②のおさらい:声の通り道にはフォルマントの山があって、山に近い倍音ほど大きく響くシカ。
ビブラートで高さがゆれると、倍音の棒たちが山のふもとを行ったり来たりするシカ。山にのぼれば大きく、下りれば小さく――つまり高さのゆれが、自動的に音量と音色のゆれも連れてくるシカ。
だからビブラートのかかった声は、高さ・大きさ・明るさが同じリズムで呼吸するように動いて、キラキラして聞こえるシカ。さっきの PiyoSpec で棒が伸び縮みしていたのは、まさにこれシカ。
もうひとつ、🎬ボタンで体感した歌い出しの話シカ。じょうずな歌手は音の出だしはほぼまっすぐで、ひと呼吸おいてからゆれがすーっと育つシカ。最初からフルでゆれると、せっかちな印象になりやすいシカ。
高さのゆれが親分で、音量と音色のゆれは子分ってことピヨね。おぼえたピヨ!
3問チェックシカ!
Q1. ビブラートの2つのものさし「Rate」と「Extent」は、それぞれ何のこと?
Q2. 「音程は1本に聞こえたまま、声が生きて聞こえる」ビブラートのだいたいの目安は?
Q3. ビブラートで高さがゆれると、音量や音色までいっしょにゆれるのはなぜ?
答え合わせピヨ!
A1. Rate=ゆれの速さ(1秒に何往復か。Hzで数える)。Extent=ゆれの幅(ねらいの音程から上下にどれだけふれるか。セントで数える)。
A2. Rate が約6Hz(5〜7Hz)、Extent が±半音(100セント)以内。プロでよくあるのは±50セント前後。
A3. 高さがゆれると、倍音の棒がフォルマントの山のふもとを行き来するから。山にのぼると大きく、下りると小さく響くので、音量と音色のゆれが自動でついてくる。
🧪 じっけん室 ― 自分の声のビブラートを見てみよう
マイクに向かって声をゆったりのばして、倍音の棒たちが左右に呼吸するようにゆれるか見てみよう。ゆれの往復の速さ(Rate)が数えられたら上級者。まっすぐな声とゆらした声で、絵がどう変わるかもくらべてみよう。
🧪 じっけん室をひらく