AOP ピヨ教材 ・ ハーモニー編
ハーモニーの土台のそのまた土台。「うねりをきく耳」をつくる回シカ
ハーモニー編ってことは、ついにハモれるようになるピヨ!? 結論はやく!
その入り口の回シカ!30秒でまとめるシカ。
音量がワンワンゆれる…? だれかがこっそりボリュームのつまみを回してるピヨ?
だれも回してないのに勝手にゆれるのが、うねりのふしぎなところシカ。
基礎知識編①でやったとおり、音は空気のふるえの波シカ。2つの音を同時に鳴らすと、空気の中で波は足し算されるシカ。
そして2つの波の速さ(ピッチ)がちょっとだけちがうと、重なり方が「そろう → ズレる → またそろう」をくりかえすシカ。
だから音量が大きい・小さいを往復して、ワンワンワンと聞こえるんだシカ。
だれもさわってないのに音が勝手にワンワンする…。ところで「うねり」って、「うなり」とはちがうの? 猫が「ウ〜〜」ってやるあれかピヨ?
いいところに気づいたシカ! この現象、理科の教科書では「うなり」、英語では beat(ビート) とよばれているシカ。
AOPでは「うねり」というよび方で通しているシカ。よび名はちがっても、ぜんぶ同じ現象のことシカ。このノートでも「うねり」でいくシカ。
ワンワンの速さって、なにで決まるピヨ? 気分?
気分じゃないシカ、シカシカ! ここがこの回いちばんの法則シカ。
1秒あたりのワンワンの回数 = 2つの音のズレ(Hz)そのもの
うねりのかたちを図にするとこうシカ。
ひとつ補足シカ。ズレが半音ぶん(十数Hz)くらいまで大きいと、ワンワンが速すぎて数えられなくて、ザラザラしたにごりに聞こえるだけシカ。
ズレが半音より小さくなってくると、はじめて「ワンワンワン」というリズムのようなゆれとして聞こえてくるシカ。
ここからが本番シカ! 下のうねりマシンで、ズレを自分の手で運転してみるシカ。
1つ目の音は「ラ」(220Hz)に固定、2つ目の音をスライダーでズラすシカ。
ほんとだ! ズレを小さくしていくと、ワンワンワン…ワン……ワ〜〜ン……って間のびして、最後スーッて消えた! ちょっときもちいいピヨ…!
その「消えた瞬間」こそ、2つのピッチがピッタリ合った瞬間シカ。逆にいうと――うねりが聞こえているあいだは、まだピッチが合っていないということシカ。
うねりは「ズレてるよ」を教えてくれる天然のチューナーなんだシカ。
じゃあ今度は数字なしでやってみるシカ。ターゲットの音はランダム。たよれるのは耳だけシカ。
ワンワンが「ゆっくりになる方向」へスライダーを動かして、うねりが消える場所=シーンを探すシカ!
最初ワンワンうるさかったのが、だんだんゆっくりになって…ピタッと止まると、ほんとに「シーン」ってするピヨ…! 2つの音が1つに溶けたみたい!
その「溶けて1つになる」感覚と「シーン」の静けさ――これを体験として知っていることが、ハモリの最強の武器になるシカ。目指すゴールの音を、もう耳が知っているからシカ。
ゲームは楽しかったけど…これがなんで「ハモリがうまくなる」につながるピヨ?
クワイアで、となりの人と同じ音(ユニゾン)を歌っている場面を思いうかべてほしいシカ。もしピッチが少しズレていたら――さっきのマシンと同じで、2人の声のあいだにうねりが出ているシカ。
ここが大事なところシカ。うねりっぱなしの響きに慣れてしまった耳は、うねりに気づけないシカ。ズレていても「こういうものかな」と素通りしてしまうシカ。
でも、うねりをきける耳があれば――
という直し方の手順そのものが手に入るシカ。「うねりを認知できるとピッチがよくなる」のは、この道具を持てるからなんだシカ。
じゃあ、ちがう音どうしでハモるときは? 音がちがうなら、うねりは関係ないピヨ?
それが関係大アリなんだシカ! 基礎知識編①でやったとおり、ひとつの声の中には倍音のタワーが入っているシカ。
ちがう音どうしのハモリでは、おたがいの倍音と倍音がすぐ近くで鳴って、そこでうねるシカ。ハーモニーが「にごる」か「とけあう」かの正体のひとつがこれシカ。
このつづきは、純正律と平均律の話でくわしくやるシカ。おたのしみにシカ!
さいごに3問だけ確認シカ。声に出して答えてみてシカ!
Q1. うねり(ワンワンワン)の正体は、なにが起きている現象シカ?
Q2. 220Hz と 224Hz を同時に鳴らすと、1秒に何回ワンワンするシカ?
Q3. うねりが完全に消えて「シーン」となったとき、2つの音はどうなっているシカ?
答え合わせピヨ!
A1. ピッチが少しズレた2つの音の波が足し算されて、強めあい・うちけしあいをくりかえし、音量がゆれている現象ピヨ(シーン1)。
A2. ズレが4Hzだから1秒に4回ピヨ。ワンワンの回数=ズレのHzそのものピヨ(シーン2)。
A3. 2つのピッチがピッタリ合っているピヨ。うねりが聞こえるうちは、まだ合っていない合図ピヨ(シーン3・4)。
ユニゾンはわかったピヨ。でもゴスペルといえば3度とか5度のハモリピヨ? 音の高さがちがったら、ワンワンで合わせる作戦は使えないんじゃ…
それが、つかえるんだシカ! ひみつは基礎知識編①の倍音のタワーシカ。
たとえば5度ハモリ――「ラ」(220Hz)と、その5度上の「ミ」(330Hz)は、周波数がきれいな整数比 2:3 になっているシカ。それぞれの倍音をならべてみると――
660Hz と 1320Hz が共有倍音として、ぴったり同じ場所で重なるシカ。
3度ハモリでも同じシカ。きれいな長3度は比が 4:5 で、220Hzと275Hzなら 1100Hz で倍音が重なるシカ。
そして――ハモリがピッタリのとき、共有倍音は1本に溶けてシーン。どちらかのピッチがズレると、共有倍音どうしがずれて、そこでうねりが出るシカ!
5度をちょっとズラしたら、奥のほうでワンワン言い出したピヨ…! 音の高さはちがうのに、うねりで「ズレてる」ってわかるんだピヨ! もどすとスーッて溶ける…これはくせになるピヨ…
そういうことシカ。ユニゾンは基音どうし、ハモリは倍音どうしがうねる――だから3度でも5度でも、うねりをきける耳がハーモニーを磨いてくれるシカ。
どの音の組み合わせがどれだけきれいに重なるか、の深掘りが純正律と平均律の話シカ。次回のおたのしみシカ!
🧪 じっけん室 ― 2人の声が「重なる」のを見てみよう
家族や友だちと2人で、同じ「アー」をのばしながらマイクに入れてみるシカ。スペクトラムの左端に基音の山が2本見えたら、それがズレの正体シカ。耳でワンワンを聞きながら、2本の山が1本に重なるところを探してみるシカ!
🧪 じっけん室をひらく