AOP ピヨ教材 ・ リズム編

② 休符とタイ
― 「鳴らさない」も音符 ―

休符(きゅうふ)ってなに? タイ・付点(ふてん)ってなに? を、マスを消したりつないだりできるDTMグリッドで体感する回

①でリズムの「ものさし」(拍・小節・16マスのグリッド)ができたシカ。 第2回は鳴らさない時間=休符と、音をのばすしくみ=タイ・付点。 この2つがそろうと、どんなリズムでもマス目の上に書けるようになるシカ。
カシカ
カシカ
声のしくみにくわしい先生。語尾は「〜シカ」。やさしく導くシカ。
ピヨ鳥
ピヨ鳥
学ぶ気まんまんの生徒。語尾は「〜ピヨ」。ときどき大胆にボケる。
📌 0. まず30秒まとめ
ピヨ鳥

休符って「休憩」のことかピヨ? やった、お茶飲んでくるピヨ〜!

カシカ

戻ってくるシカ! 休符はサボり時間じゃないシカ。30秒まとめシカ。

  • 休符(きゅうふ)=「鳴らさない」ことを表す音符。音符と同じようにながさが決まっているシカ(4分休符・8分休符・16分休符)。
  • 休符のあいだも拍は止まらない。だから休符は「休み」ではなく、数えながら黙る演奏の一部シカ。
  • タイ=となりの音符とつないで1つの音にするしるし。付点(ふてん)=元のながさの半分をたすしるし(つまり1.5倍)。どちらも「のばす」ための道具シカ。
  • ①のDTMグリッドでいうと——鳴らすマス=音符、空きマス=休符、つなぎマス=タイ。この3つで、どんなリズムでも16マスに書けるシカ。
🤫 1. 休符 ― 音のない音符
ピヨ鳥

でも「鳴らさない」に名前がつくって、へんな感じピヨ。無音は無音ピヨ?

カシカ

いいギモンシカ。ポイントは、無音にも「ながさ」があることシカ。

①でやったとおり、音符の名前は「小節を何等分したながさか」の分数だったシカね(4分音符=拍1個分、が1行リマインド)。休符もまったく同じ分数のしくみで、「そのながさだけ鳴らさない」ことを表すシカ。

口で言うときは、鳴らすところを「タン」、休符を「ウン」と読むとわかりやすいシカ。

休符=「音のない音符」。ながさはちゃんとある タン ウン タン ウン タン ウン タン ウン タンもウンも同じながさ(8分) 1 2 3 4 ウンのあいだも拍(🥁)は止まらず打ち続ける 点線の枠=休符。「音がない」けど「時間の場所と幅」はしっかり決まっている
🦌 カシカの図解:「タン・ウン・タン・ウン」。ウン(休符)は無音だけど、タンと同じながさの「時間の枠」を占めているシカ。

音符と休符は、ながさが1対1で対応しているシカ。①のグリッド(マス1個=16分)で数えると——

音符と休符の対応表
4分音符(拍1個分)=マス4個 ↔ 4分休符=マス4個ぶんの沈黙
8分音符(拍の半分)=マス2個 ↔ 8分休符=マス2個ぶんの沈黙
16分音符(マス1個)=マス1個 ↔ 16分休符=マス1個ぶんの沈黙
「◯分=小節を◯等分」のルールは、音符も休符もまったく同じシカ。
🔢 2. 休符は「休み時間」じゃない ― 数えながら黙る
ピヨ鳥

じゃあ休符のところでは、なにをしてればいいピヨ? ぼーっと待ってて、なんとなく次を歌えばいいピヨ?

カシカ

そこがこの回いちばんの落とし穴シカ! 「なんとなく待つ」と、次の入りが毎回ズレるシカ。

正解は——休符のあいだも「1 と 2 と…」と数え続けて、決められたマスでピタッと入る。休符は「お休み」じゃなくて、数えながら黙るという演奏なんだシカ。

図にするとこうシカ。

休符の上でも、数えは止まらない 1 2 3 4 タン ウン ウン タン タン ウン タン ウン ←心の中で「と」 ←ここでピタッと入る 声に出すのはタンのところだけ。でも頭の中のカウントは8マスぶん全部進んでいる
🦌 カシカの図解:黙っているあいだもカウントは進む。だから「2と」のタンに迷わず入れるシカ。

歌う人にとって休符がうれしいのは、そこがブレス(息つぎ)の場所になることシカ。「なんとなく吸う」んじゃなくて「この8分休符で吸う」と決まっていると、フレーズの入りが毎回そろう。

クワイアみたいに大勢で歌うときほど、休符のそろい方が上手さに直結するシカ。

ピヨ鳥

なるほどピヨ…。でも頭でわかっても、ウンの間じっと数えるのって難しそうピヨ。実際にやってみたいピヨ!

🎧 3. マス消しマシンでリズムを作ろう
カシカ

そのためのマシンシカ! ①の半分こマシンの進化版で、こんどはうたの段のマスを自分でタップして書きかえられるシカ。

マスを消したところが休符。下の🥁拍ガイドはずっと鳴っているから、「ウンの間も拍が進む」のを耳で確かめるシカ。

🧹 マス消しマシン(休符とタイのDTMグリッド)

「▶ ならす」で1小節がループするシカ。うたの段のマスはタップで書きかえOK(鳴らしたままでも変えられる)。タップするたびに 空(休符)→ タ(鳴らす)→ ー(直前の音をのばす) の順に切りかわるシカ。「ー」のくわしい話は次のコーナーで。

おてほん:
テンポ:

💡 まず「タン・ウン・タン・ウン」を鳴らして、ウンのマスでも🥁が止まらないことを確認シカ。そのあと自由にマスを消したり増やしたりして、自分のリズムを作ってみるシカ。音が出ないときは端末のマナーモード・音量を確認シカ。

ピヨ鳥

マスを1個消しただけで、ぜんぜん違うリズムになるピヨ! 「ぜんぶ消す」にしたら🥁だけになって……これ、休符だらけの小節ってことかピヨ?

カシカ

そのとおりシカ! まるまる1小節の沈黙=全休符シカ。

そして今ピヨ鳥が体感したのが今日の芯——リズムの個性は「どこで鳴らすか」と同じくらい「どこで鳴らさないか」で決まるシカ。

同じ「タン4つ」でも、置くマスと空けるマスをかえるだけで別の曲みたいになるシカ。

🪢 4. タイと付点 ― マスをつないで「のばす」
ピヨ鳥

ところでさっきの「ー」のマスってなんなのピヨ? タップしたら出てきたけど、鳴ってるような鳴ってないような…。

カシカ

「ー」は直前の音をのばすマスシカ。「タ・ー・ー・ー」なら、16分4個ぶん=拍1個ぶんのばす1つの音(=4分音符)になるシカ。

楽譜の世界でこれをやる道具が2つあるシカ。

  • タイ同じ高さの音符2つを弧線でつないで、1つの音にするしるし。切らずにつなげて歌うシカ。
  • 付点(ふてん) = 音符の右に打つ点。元のながさの半分をたす=1.5倍にするしるし。例:付点4分音符=4分+8分=マス6個ぶんシカ。

図でくらべるとこうシカ。

タイと付点=「のばす」ための2つの道具 タイ 4分(タン) 4分(タン) → 切らずに「ターー」 2拍ぶんの1つの音になる 付点4分 4分 +半分 → 1.5倍にのびる 4分+8分=マス6個ぶん グリッドでは → タ+ー5個=マス6個 =付点4分とおなじながさ
🦌 カシカの図解:タイは「つなぐ」、付点は「半分たす」。グリッドの上ではどちらも「ー」マスの連結で表せるシカ。

さっきのマシンで「🪢 のばし入り」のおてほんを鳴らしてみるシカ。最初の音は「タ」+「ー」5個=付点4分(マス6個)

のばしている「ー」のあいだも、🥁の拍とカウントはずっと進んでいる——ここは休符とまったく同じ感覚シカ。

ピヨ鳥

ほんとだピヨ、「ターーー」ってのばしてる間に🥁が2回鳴ってたピヨ! のばすのも黙るのも、「数え続ける」のは同じなんだピヨね。

カシカ

大正解シカ! 歌がリズムからズレる原因のほとんどは、実はのばしている音と休符のあいだにカウントを見失うことなんだシカ。

「音を出している瞬間」は意外とズレない。音のない時間・のばしている時間をどう数えるかがリズムの上手さシカ。

🧭 5. 休符とタイで何がうれしい?
ピヨ鳥

これで①のグリッドとあわせて、道具は3つになったピヨ。タ・ー・空。……この3つでなにができるようになったんだピヨ?

カシカ

ずばり、世の中のどんなリズムも16マスの上に書けるようになったシカ(3連系のハネるリズムだけは別の道具が要るから、先の回で扱うシカ)。

  • 鳴らす(タ)=音のはじまり
  • のばす(ー)=タイ・付点
  • 鳴らさない(空)=休符

歌詞の譜割り(ふわり)——「ことばのどの音が、どのマスに乗るか」——も、この3つで全部説明できるシカ。

「ここは8分休符だから、あわてて食い気味に入らない」「この『ラブ』の『ブ』は4拍目までのばす」みたいに、あいまいだった歌い方の指示が、マス単位のことばで正確に共有できるようになるシカ。

次の回はいよいよ「拍の重さ」の話シカ。おなじ4つの拍でも、どこに重みを感じるかで音楽のノリはがらっと変わる——ゴスペルで手拍子が「2と4」に入る理由につながっていくシカ。

🎵 きょうからできる練習 ― ウンを体に入れる

①手拍子で「トン、トン」と拍を打ちながら、口で「タン・ウン・タン・ウン」(ウンは声に出さず口パク)。②慣れたら逆に「ウン・タン・ウン・タン」——黙ってから入る練習シカ。③好きな曲で、フレーズの直前の休符で吸うのを意識してみる。息つぎの位置が決まると、入りがそろうシカ。

グリッドと楽譜が同期して動くリズム訓練アプリ「リズム+」なら、休符入りのパターンをたくさん叩けるシカ。

🥁 リズム+ をひらく
✅ 6. たしかめクイズ
カシカ

3問チェックシカ!

Q1. 休符と「ただの休み」のいちばん大きなちがいは?

Q2. 8分休符はグリッドのマス何個ぶん? 4分休符は?

Q3. 付点4分音符はマス何個ぶん? 4分音符2つをタイでつなぐと何拍のばす?

ピヨ鳥

答え合わせピヨ!

💡 答えを見る

A1. 休符には音符と同じように「決まったながさ」があり、そのあいだも拍とカウントは進み続ける。だから数えながら黙る「演奏の一部」。

A2. 8分休符はマス2個ぶん、4分休符はマス4個ぶん。「◯分=小節を◯等分」は音符と同じ。

A3. 付点4分=4分(4マス)+その半分(2マス)=マス6個ぶん。4分2つのタイ=2拍ぶんの1つの音。


この回の芯:リズムは「鳴らす・のばす・鳴らさない」の3つでできている。音のない時間ものばす時間も、数え続けるのが上手さの正体シカ!