AOP ピヨ教材 ・ 基礎知識編

① 基音と倍音(きおん と ばいおん)
― 声は、たくさんの音が「かさなって」できているピヨ ―

声のしくみのいちばん土台。ここが分かると、フォルマントもフープもぜんぶ見えてくるピヨ

📖 このページは Kenneth Bozeman『Practical Vocal Acoustics』(2025) などを参考に、AOPコミュニティ向けにピヨ鳥のことばでやさしく再構成した学習ノートピヨ。むずかしい原文は出てこないから安心してピヨ。
この回のゴールはひとつだけピヨ。「ひとつの声の中に、じつは音がいっぱい入っている」――これを耳で確かめること。いちばん低い音が基音、その上に積み重なる音が倍音ピヨ。とちゅうに実際に音が鳴るボタンがあるから、ぜひ音を出して遊びながら読んでほしいピヨ!
ピヨ鳥
ピヨ鳥
声のしくみにくわしい先生。語尾は「〜ピヨ」。やさしく導くピヨ。
ピヨ猫
ピヨ猫
学ぶ気まんまんの生徒。ときどき大胆にボケる。
📌 0. まず30秒まとめ
ピヨ猫

基音と倍音って、なんか難しそうな名前ニャ…。まず結論から知りたい!

ピヨ鳥

いい姿勢だピヨ!30秒でまとめるピヨ。

  • ひとつの「ド」の中に、じつはたくさんの高さの音がいっしょに鳴っているピヨ。
  • いちばん低くて「高さ(ピッチ)」を決めているのが基音(きおん)ピヨ。
  • その上にきれいな倍数でならぶのが倍音(ばいおん)ピヨ。
  • 倍音の「どれが強いか」で、声の音色(=色・キャラ)が決まるピヨ。

この「基音+倍音のセット」が声のすべての出発点ピヨ。あとで音の出るおもちゃも用意してあるピヨ!

🌬 1. 音ってそもそも何?
ピヨ猫

そもそも「音」って何ニャ? 空気を…食べる感じ?

ピヨ鳥

食べないピヨ、ピヨピヨピヨヨヨヨ! 音は空気の「ふるえ」ピヨ。声帯や太鼓の皮がふるえると、まわりの空気が押されたり戻ったりして、その波が耳にとどいて「音」になるピヨ。

そして、その「ふるえ」が1秒間に何回くり返すかHz(ヘルツ)で数えるピヨ。速くふるえるほど高い音、ゆっくりだと低い音ピヨ。たとえばチューニングでよく聞く「ラ」の音は 440Hz=1秒に440回ふるえているピヨ。

🗼 2. 基音と倍音 ― 声は音のタワー
ピヨ猫

で、ひとつの音の中に音がいっぱいって、どういうことニャ? ドはドじゃないの?

ピヨ鳥

それがおもしろいところピヨ! 声や楽器の「ド」は、じつは1本の音じゃなくてタワーなんだピヨ。いちばん下の階が基音。その上に、基音の2倍・3倍・4倍…の高さの音倍音が、ぜんぶ同時に鳴っているピヨ。

たとえば基音が 100Hz なら、200Hz・300Hz・400Hz…の音が上に積み上がっているピヨ。この積み上がりを図にするとこうピヨ。

→ 音の高さ(周波数) 基音 2倍 3倍 4倍 5倍 6倍 7倍 8倍 高さを決める ↑ ここから上がぜんぶ倍音=「色」を決める
🐤 ピヨ鳥の図解:ひとつの声=基音(緑)+倍音たち(オレンジ)のタワーピヨ。棒の高さは「その音の強さ」ピヨ。

役割分担はシンプルピヨ。高さ(ピッチ)は基音が決める。色(音色)は倍音のバランスが決める。これだけピヨ!

ピヨ猫

タワーかぁ。じゃあ音符が読めなくても「低いのが基音・上にオマケがいっぱい」って覚えればOK?

ピヨ鳥

それで完ぺきピヨ! ちなみに専門の世界では基音を 1fo(イチ・エフオー)、2倍の倍音を 2fo…と呼ぶピヨ(昔の本では H1・H2 とも書くピヨ)。AOPでも「H1」「H2」という言い方が出てくるから、「H1=基音、H2=その1オクターブ上の倍音」とだけ覚えておくといいピヨ。

🎧 3. 倍音ミキサーで聴いてみよう
ピヨ鳥

ここからが本番ピヨ! 下の倍音ミキサーで、タワーを自分の耳で確かめるピヨ。棒をタップすると、その倍音をON/OFFできるピヨ。

🎛 倍音ミキサー ― 基音は同じ、色だけ変わる

▶ を押してから、①「基音だけ」→②「ぜんぶ」→③棒をポチポチ消したり戻したり、で聴きくらべてみてピヨ。高さはずっと同じなのに、音の「色」だけが変わるのがわかるピヨ。

💡「基音を消す」と…ふしぎ! それでも同じ高さに聞こえるピヨ(脳が基音を補って聞く現象ピヨ)。音が出ないときは端末のマナーモード/音量を確認ピヨ。

ピヨ猫

ほんとだ! 倍音を足すと、音の高さは変わらないのに、リッチというか…ビリッとした感じになるニャ!

ピヨ鳥

その「リッチ」「ビリッ」の感覚こそが音色ピヨ! いま耳でつかんだこと――それが今日いちばん大事な知識ピヨ。

🎨 4. 倍音のバランス=声の「色」
ピヨ猫

おなじ「ド」でも、人によって声がちがうのはなんでニャ?

ピヨ鳥

さっきのミキサーの答えそのものピヨ。人によって・歌い方によって、どの倍音が強くてどれが弱いかのバランスがちがうから、同じ高さでも別の声に聞こえるんだピヨ。

ふつうの声は、タワーの図みたいに上の倍音ほどだんだん弱くなるピヨ。息まじりのやわらかい声は上の倍音が少なめ、張った声は上の倍音が強め――倍音のバランスを聴き分けられれば、声の質感を言葉にできるようになるピヨ。

Discordのスペクトルアナライザーで自分の声を見ると、さっきのタワーが本物の声でも見えるピヨ。左端の山が基音、右にならぶ山が倍音。ミキサーで作ったタワーと同じものが、自分の声の中にあるピヨ!
🏠 5. 声=音源 × フィルターの2階建て
ピヨ猫

倍音はわかったニャ。その倍音って、どこで作られて、どこで色がつくニャ?

ピヨ鳥

まさに次の回への橋わたしピヨ! 声は2つの担当の掛け算ピヨ。

  • ① 音源(ソース)=声帯。ブザーみたいにふるえて、倍音のタワーを作る係ピヨ。
  • ② フィルター=のど・口の通り道。タワーの倍音を強めたり弱めたりして色をつける係ピヨ。

さっきのミキサーでやった「棒のON/OFF」を、実際の体の中ではのど・口の形が自動でやっている、というイメージピヨ。そしてフィルターが強めてくれる場所のことをフォルマントと呼ぶピヨ。それが次の②回目のテーマピヨ!

AOPで出てくるフォルマント・フープ・イェールは、ぜんぶこの「音源(倍音のタワー)× フィルター」の話の続きピヨ。この回が“全部の入口”ピヨ。
✅ 6. たしかめクイズ
ピヨ鳥

さいごに3問だけ確認ピヨ。声に出して答えてみてピヨ!

Q1. 声の「高さ(ピッチ)」を決めているのは、基音・倍音のどっちピヨ?

Q2. おなじ高さでも人によって声の「色」がちがうのは、何がちがうからピヨ?

Q3. AOPでも出てくる「H2」は、基音とくらべてどんな高さの音ピヨ?

ピヨ猫

答え合わせしたいニャ!

💡 答えを見る

A1. 基音ピヨ。タワーのいちばん下の階が高さを決めるピヨ(シーン2)。

A2. 倍音の強さの「バランス」がちがうからピヨ=音色(シーン3・4)。

A3. 基音の2倍の高さ=1オクターブ上の倍音ピヨ(シーン2)。

🧪 じっけん室 ― 自分の声でタワーを見てみよう

もっと遊びたい人は、マイクで自分の声のスペクトラム(倍音の山)をリアルタイムに見られるシミュレーターへどうぞピヨ。今日のタワーが、キミの声の中にも見つかるピヨ!

🧪 じっけん室をひらく

この回の芯:声は「基音+倍音」のタワー。高さは基音、色は倍音のバランス。そして声は「音源(タワーを作る)× フィルター(色をつける)」の2階建て――この地図を持って次へいこうピヨ!