AOP ピヨ教材 ・ 基礎知識編

② フォルマントってなに?
― 「あ・い・う」のちがいの正体は、のどの中にあるシカ ―

倍音を「強めてくれる場所」がフォルマント。F1とF2が分かると、母音も声の深みも見えてくるシカ

前回(①基音と倍音)で「声=音源 × フィルター」と学んだシカ。今回はそのフィルター側の主役、フォルマントシカ。のどや口の形で、ある高さの倍音だけがグッと強くなる――その強くなる場所がフォルマント(F1・F2…)シカ。これが「あ・い・う」を作り、声の深みも決めるシカ!
カシカ
カシカ
声のしくみにくわしい先生。語尾は「〜シカ」。やさしく導くシカ。
ピヨ鳥
ピヨ鳥
学ぶ気まんまんの生徒。語尾は「〜ピヨ」。ときどき大胆にボケる。
📌 0. まず30秒まとめ
ピヨ鳥

フォルマント…「あそべふぉるまんと君」で聞いたことあるピヨ。先に結論おしえて!

カシカ

そのフォルマントシカ! 30秒でいくシカ。

  • のど・口の通り道には、ある高さの倍音を強めるクセ=「山」があるシカ。
  • その山がフォルマントシカ。低いほうから F1・F2・F3…と呼ぶシカ。
  • F1とF2の位置で「あ・い・う」の母音が決まるシカ。
  • F1が高い=開いた母音、低い=閉じた母音。F1は声の「深み」も担当シカ(このことばの意味はシーン4でくわしくやるシカ)。

口の形をかえる=山の場所を動かす。それだけの話シカ。いこうシカ!

⛰ 1. フォルマント=倍音を強める「山」
ピヨ鳥

「山」ってどういうことピヨ? 前回のタワーとどう関係するの?

カシカ

つながってるシカ! 声帯が作った倍音のタワーは、のど・口の通り道をくぐって外に出てくるシカ。

このとき通り道は、コップに息を吹くと「ボー」と鳴るのと同じで、ある高さの音だけをよく響かせる性質があるシカ。

そのよく響く場所を図にすると「山」になるシカ。山のてっぺん近くにいる倍音は強められ、谷間の倍音は弱くなる。この山がフォルマントシカ。

→ 音の高さ(周波数) F1の山 F2の山 山から遠い倍音は 弱いまま 基音
🦌 カシカの図解:倍音のタワー(棒)に、のど・口の「山」(曲線)がかぶさるシカ。山の近くの倍音だけがグンと強くなる=これがフォルマントのはたらきシカ。いちばん左の緑の棒は基音(H1)シカ。
🅰 2. F1とF2=母音を作る2人
ピヨ鳥

山っていくつもあるの? 母音に効くのはどれピヨ?

カシカ

山は下からF1・F2・F3…といくつもあるけど、母音を決めるのはいちばん低い2つ、F1とF2シカ。この2つがいちばんよく動かせて、母音を作り分けるから「母音フォルマント」と呼ばれるシカ。F3より上は声のキラキラ担当シカ。また別の回でやるシカ。

動かし方もシンプルシカ:

  • 口を大きく開ける/舌を下げる → F1が上がるシカ(「あ」の方向)。
  • 舌を前に出す → F2が上がるシカ(「い」の方向)。
  • くちびるを丸める → 両方下がるシカ(「う」の方向)。

つまり「あ・い・う」のちがいは、口と舌でF1とF2の山をどこに置いたかのちがいなんだシカ。

🎧 3. 母音ファクトリーで聴いてみよう
カシカ

証拠を聴かせるシカ! 下の母音ファクトリーは、①で作ったようなただのブザー音に、F1・F2の山(フィルター)をかぶせるおもちゃシカ。

ブザーが「あ・い・う・え・お」に化けるシカ。

🏭 母音ファクトリー ― ブザー音が母音に化ける

▶ で音を出して、[あ]〜[お] の5つのボタンを押しくらべてシカ。音源はずっと同じブザー、変えているのはF1・F2の山の場所だけシカ。下の絵の棒がブザーの倍音(H1〜)、点線がF1・F2の山――スライダーで山を動かすと、山に近い倍音だけがニョキッと育つのが見えるシカ。

F1の山 750 Hz
F2の山 1150 Hz

💡 F1スライダーだけ上下してみるシカ。上げると口が開いた感じ、下げるとこもった感じ。絵の中でどの倍音が山に拾われたか(色が変わる棒)にも注目シカ――次のシーンの伏線シカ。

ピヨ鳥

すごいピヨ! ブザーが喋った! しかも絵を見てたら、山を動かすたびに拾われる倍音が入れかわってるピヨ。口も舌もないのに母音になるなんて、ちょっとこわいくらいピヨ…

カシカ

シカシカシカカカカ! でもそれが証明シカ。

母音の正体は口の「動き」そのものじゃなくて、F1・F2の山の「置き場所」――だから山さえ再現すれば機械でも母音になるんだシカ。

😮 4. F1が高い=開いた母音・深みの担当
ピヨ鳥

さっき「F1だけ動かすと開いた感じ」って言ってたピヨ。F1だけでも何か分かることある?

カシカ

F1ひとつで2つも分かるシカ!

  • F1が高い母音=開いた母音シカ(「あ」「え」系。口が大きく開く)。F1が低い母音=閉じた母音シカ(「い」「う」系)。さっきのスライダーで感じたとおりシカ。
  • F1はいちばん低い山だから、声の深み・ふくよかさ・まるみもF1が受け持つシカ。

F1の高さ=口の開き具合のメーター――これを覚えておくと、次の③フープ・④イェールが一気にわかるシカ。

AOPの合言葉「F1 × 倍音」――F1の山と倍音の“出会い”が声の色を切りかえるシカ。F1が基音(H1)と出会えばフープF1がH2と出会えばイェール。次の③④で実際に鳴らして確かめるシカ!
✅ 5. たしかめクイズ
カシカ

3問チェックシカ!

Q1. フォルマントを一言でいうと、倍音をどうする「何」シカ?

Q2. 母音(あ・い・う)を作り分ける主役は、どのフォルマントシカ?

Q3. F1が高い母音は「開いた母音」「閉じた母音」どっちシカ?

ピヨ鳥

答え合わせピヨ!

💡 答えを見る

A1. 倍音を強めてくれる「山」ピヨ(シーン1)。

A2. F1とF2の2つ=母音フォルマントピヨ(シーン2・3)。

A3. 開いた母音ピヨ。F1が高い=口が開いているピヨ(シーン4)。

🧪 じっけん室 ― 自分の声のF1・F2を見てみよう

シミュレーターの Vowel Space(母音マップ)を使うと、マイクに向かって「あ・い・う」と言うだけで、自分のF1×F2がどこにあるかが地図の上に出るシカ。今日の話を自分の声で確かめられるシカ!

🧪 じっけん室をひらく

この回の芯:フォルマント=倍音を強める山。F1とF2の置き場所が母音を作り、F1の高さが「開き具合」と「深み」を決める。次はいよいよ「F1 × 倍音」の出会い=フープへシカ!